
あなたは 360度フィードバック というものをご存知でしょうか?
直属の上司から業務上のフィードバックを受けることが一般的ですが、その名の通り360度ですので、複数の関係者からフィードバックを受けます。
そうすることで、直属の上司だけでは得られない視点を得ることができ、より成長に結びつきやすいのです。
コーチングにおいても、コーチは問いかけばかりするのではなく、フィードバックという形でコーチ自身が気づいたことを伝えます。
相手から正直なフィードバックをもらうことで、自分の限られた感覚や視点を越えて、自分自身についての具体的な情報を得ることができます。
そうすることで、より早く、正確に目標に近づくことができるのです。
そんなある日、こんな声を聞きました。
360度フィードバックをもらったら「ここがなっとらん。もっとこうするべきだ」的なことばかり書いてあってヘコんだ と。
んんん??
なにかがおかしいですね。これはフィードバックとは実際に何をするものなのかご存知ないのではなかろうか??
フィードバックは成長に必要不可欠なもの。
正しくこの方法論を理解していると、特に指示しなくてもひとりでにフィードバックを受けた人は行動を起こし、成長していきます。
今回はこのフィードバックのやり方について基本的な部分をお伝えします。
フィードバックとは何か?
フィードバックとは、電気工学的には「入力と出力のあるシステムで、出力に応じて入力を変化させること」です。身近なところでいくと、エアコンの温度調整も、室温が上がりすぎていたら下げるというように、フィードバックによって制御されていますね。
また、軍事用語でもあって、大砲を撃ったときにその着弾地点が目標物とどれくらいズレていたかの情報のことを言います。
「15m手前に着弾した」とか「右方向に30m離れたところに落ちた」といったことです。
ここで重要なのは、フィードバックする人は「だから角度をもっとあげなさい」とか「左方向に2度傾けなさい」とかいうことは言いません。
あくまで事実としてどうだったのか という情報のみを届けて、それを受けてどうするかは撃ち手に任せます。
そこに発生したことを、事実として伝えてあげること。
これがフィードバックです。指示やアドバイスとは異なります。
コーチングにおいてのフィードバックは、クライアントが達成したい方向に向かっているのか、ズレているとしたらどれくらいのギャップなのか、こういった情報を伝えるということです。
このときフィードバックが目標達成のサポートとして効果を発揮するには2つの前提条件があります。
- フィードバックする側が、相手がどのような目標を持っているか理解している
- フィードバックを受け取る側が、目標達成のためにフィードバックを求めている
この2つをクリアしていなければ、単なるおせっかいになったり、「何も知らないくせに」と反感を買ってしまいます。
客観的事実と主観的事実を伝えること
フィードバックは客観的事実のフィードバックと、主観的事実のフィードバックに分けられます。
例えば、次のような例が客観的事実を伝える「客観的フィードバック」です
- 発表の間、あなたとは一度も目線が合わなかった
- このやり取りの中で、あなたは「わかりません」という言葉を3回使った
- アンケートによると、顧客満足度が先月より15%上昇している
これに対して、次の例は主観的事実を伝える「主観的フィードバック」です
- わたしの発表に、あまり関心がないように感じた
- わからないと連発するので、すこしがっかりした
- 顧客満足度が上がっていてとてもうれしい。みんなのやる気が伝わってくる
いかがでしょうか?
どちらも、事実を事実として伝えているだけです。それ以上のことは伝えません。
3回もわかりませんとか言われたら「事前に調べてこい!」とか言いたくなりますが、それはフィードバックではありません。
フィードバックの特徴は、フィードバックを元にどうするかは受け手に委ねられる ということです。
主体はフィードバックを受ける側。決してフィードバックする側ではないのです。
ここを間違うと、フィードバックという名の説教や指示になってしまいます。
たった1つのフィードバックがクライアントさんを動かしたケースの紹介
セッションをやっていて実際に起きたことですが、たった1つのフィードバックで行動が変わったケースをご紹介します。
ぼくが伝えたフィードバックはこれだけです。
「なんだか、答えはご自身の中ですでに決まっているように聞こえました」
するとクライアントさんは5秒くらい黙って考えて
「・・・やっぱそう聞こえます?そうですよね、もうやるしかないって自分ではわかってるんですよね。よし決めました」
と、かねてから考えていたことを行動に移しました。
これぞフィードバックの効果だな〜って実感した瞬間でした。
たった1つのフィードバックを元に、自分自身の中に気づきを得て、このクライアントさんは行動を起こしました。
まとめ
いかがでしょうか、フィードバックのイメージは変わりましたか?
細かい内容はさておき、 「フィードバックとは事実を事実として伝えるものだ」 ということはぜひ覚えておいて頂きたいです。
無料で提供しているコーチングマニュアルにも、フィードバックの具体的手法について触れています。
あなたが 欠点ばかり指摘するのではなく、長所を引き出すマネジメントをしたいと思っているなら 、ぜひ確認してください。
明日からすぐに使えるノウハウも入れていますので、この機会にぜひ受け取ってください!!
パパさんコーチング・エンジニアづかしーこと、いしづかです。