
教育に力を入れている会社では新人研修や外部の研修参加などを積極的にされていると思いますが、それとは別に「個人目標」のようなものを設定しているところも多いと思います。
今後5年後や10年後の自分を思い浮かべ、そこから逆算していつまでにどのようなことをできるようになっていけばいいのか計画を立てるというやり方です。キャリアを形成していく上でも先のことを考えて、そこからブレークダウンしていく考えは良いと思います。
一見すると社員に目を向けた良い取り組みですが、最近とても違和感を覚えることが多いのです。なんていうんでしょうかね、、、うまくハマってない、って感じですかね。。。
どこに違和感を覚え、どうすればいいのか考えてみました。
もくじ
今の若手は「終身雇用」なんてハナから思っていません
私が覚えた違和感その1。
5年・10年その会社で働き続けるという前提がそもそもありません。
これだけ選択肢のある社会になって、ずっと同じというのはそれだけでリスクと言えます。
なのにその会社の中でのキャリアを元に目標を設定せよと言っても、リアリティが無くてうまくいきません。
とりあえず「目標設定シート」の項目はどうにか埋められてもそれだけです。全くトレースされず、放置されていくことになります。
今の時代、社員がずっと勤務することを前提にはしない方がいいと思います。それが前提になっている時点で意識がズレます。
目標とは本人が「本当にそうなりたい」と思わない限り効力を発揮しません。上層部が喜びそうな目標設定をして終わりです。
そんな感じであれば課題を与えてそれを行わせることで、強制的にスキルをつけさせる方が具体的にやれることが増えるだけマシってもんです。
その会社に目標となる人がいない気がします
どこの会社にもいらっしゃるであろう「疲弊したミドル」。
私が見た会社では、ほとんどのミドルは疲れ切って、精気が感じられない人も多かったです。
それを毎日見ている若手はどんな理屈で昇進したいと考えるでしょうか。。。
私なら無理です。部長とかなりたくない。絶対になりたくないです。
会社の中のキャリアが前提になると、途端に「目標設定」は地獄への階段に変貌するように感じます。
自己を抑制する社会で自己の目標を立てることに矛盾を感じます
今の時代、SNSやブログ、Youtube、いろいろなところで自己表現が可能です。
そんな中、会社生活では自己を抑制する方向。
・・・の割に目標設定をする際には「自分がどうありたいか」が問われます。
コレ、結構前から違和感がありました。
会社として5年後・10年後に「どうなっておかないといけない(なっておいてほしい)」というものが見え隠れする中、もはや自分がどうありたいかなど、なんの意味があるのだろうと思えてなりません。
営業部・企画部と完全に分かれているような会社で「両方できるジェネラリストになりたい」といったところで否定されるだけです。
本当になりたい姿をマジメに考えてもそれを実現できるようなキャリアパスが想像できないのであれば、会社本位の目標設定を行わざるを得ません。
若手の目標設定を行うには
「会社」というものが占めるウエイトが小さくなっている以上、本人たちに成長プランを作成せよと言っても書面上の計画が上がってくるだけです。絶対に上司のコミットが必要だと思います。
ではどうコミットすれば良いか?
会社の枠組みを考えずに、興味関心を聞く
自分の想いを全て吐き出させましょう。
会社以外ではどんなことに興味があるのか。会社ではどんなことを知っていて、どんなことを知りたいか。
どんなことが好きなのか、苦手なことはどんなことか。
目標設定に関連がなくても構いません。想いを吐き出させるのが最大の目的です。
会社の想いを伝える
探り合いは信頼関係を破綻させます。アッチの想いを聞いたら、コッチの想いを伝えるべきです。
最初に部下の興味関心を聞いているので、会社としてどうあってほしいかを伝えてもしっかりと受け止めてくれるでしょう。
コレが逆だと不信感を招くだけです。
「会社としてはこうなんだけど、君はどうしたいの?」って言われても、聞き入れられる気がしません。
昭和世代の常識そのままにいくと軋轢を生むだけです
終身雇用は崩壊し、今の若手はずっと同じ会社で仕事をするとは思っていません。
その前提を知らずに「10年後、君は会社にどう貢献するの?」と聞いても、聞かれた方も答えに窮します。
もちろん全ての若手がそうだとは言いません。会社にフォーカスし、目標設定する人もいるでしょう。
ですがそうではない人には会社の枠を外したアプローチをしてみてください。
その人をその人と捉えると、部下側から思わぬコミットを得られるかもしれません。
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