
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
誰もが一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか。
連合艦隊司令長官、山本五十六の言葉ですね。
朝礼でこの山本五十六の句を題材に「ほめるという点がどうしてもおろそかになっているので、そういったことを意識してコミュニケーションを取っていきたい」というスピーチをされた方がいらっしゃいました。「1つ叱ったら3つほめる、という意識で」とも。
とてもいいことだとは思いますが、具体的に「ほめる」ってどうするかというとよく分からないですよね。。。
今回はほめるということを考えます。
もくじ
ワンちゃんや子どもに「よーしよしよし」って言うのとはワケが違います
ワンちゃんは投げたボールを取ってくれば「よく取ってきたねー!」と言いながら顔をわしゃわしゃしますね。
それはもう喜びます。しっぽ振りまくって喜びます。
小さい子どもなんかも、ご飯を残さず食べたら「よく食べたねー!」と言いながらよしよししますね。
満面の笑顔で返してくれることでしょう。
ですが、社会人に対してそんなことはできないのは言うまでもありません。ではどうすればよいか?
「ほめる・叱る」の軸ではなく、意図を認めてあげること
「ほめる」というと必要以上の評価を与えがちになるイメージがありますね。逆に「叱る」というと叱責のイメージです。
正直、どっちもいいことには思えません。
人は「認めてほしい」生き物です。自分の考えを理解して認めてほしいのです。
それが良いものか悪いものかは置いといて、まずそれはそれとして本人の意図を聞きます。
それ自体が認めるという行為となり、変に高い評価をしなくてもモチベーションの維持に寄与します。
ただそれだけです。良い評価も悪い評価も出さない。どういう意図なのかをしっかりと聞き、理解すること。これだけで十分機能します。
高い評価を与えるのは最初だけ
必要以上に高い評価を与えると、その刺激はどんどんインフレしていきます。
ですが、最初から淡々としていると熱は低いままです。スタートダッシュはそれはそれで大事なので、最初はちょい大げさ目に言葉かけを行います。
もちろんそれは最初だけ。だからと言って次から冷たくするわけではなく、事実を事実として認めてあげるということです。
結構多いパターンですが、出会った頃は甘い言葉をかけていても、時間が経って「身内」の状態になるとつれなくなる。これありがちですが、惰性が最も危ないケースですね。
甘すぎず、辛すぎず、事実を冷静に受け止めていることが重要です。
指導する際は相手の意図を理解した後に自分の「想い」を伝える
結果だけを見て「ここはこうして」と言っても全然響きません。相手に指示を飛ばすときは相手の意図を理解してからです。
そして意図を理解したら否定も肯定もせず、自分の「想い」を伝えましょう。相手の想いを受け止めた後なので、より響きます。
時間がかかるようですが、これを省くとあなたは「話を聞いてくれない人」となり、指示されたことを黙々とこなすロボットを量産することになります。一度ロボット状態になった部下を主体的なビジネスマンに転換するのは至難の技・・・というかもはや不可能なレベルです。「自分の意図を汲んでくれる(実際は聞いているだけだとしても)」という感覚は信頼につながります。
別に部下にゴマを擦る必要はありません。相手の話を聞いて、自分の想いを伝える。ただそれだけです。
何個ほめる、何個叱るは単なる目安
「1つ叱ったら3つほめる」はよく聞く話です。叱責が先行しないようにという意識は良いですが、1とか3とかいう数字が一人歩きするのも考えものです。
アメとムチのバランスを考えるのではなく、事実をちゃんと掘り起こしてあげることを考えましょう。それをきちんと受け止めるだけで信頼されるボスへ大きく前進します。
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